【体験談】死産(後期流産)の時の手続きについて~届出、火葬、棺の準備など~

死産(後期流産)

 筆者は2022年12月に妊娠21週で死産を経験しました。
 妊娠12週以降は、赤ちゃんが亡くなった場合(中絶も含む)、役場での手続きが発生します。この記事では、筆者が経験した、役場での手続きや火葬、棺の準備についてまとめました。※市町村によって手続きに違いがあるようですので、ご参考まで。

妊娠週数22週を境に手続きが異なります~出生届の有無、命名の有無~

 妊娠週数が22週未満か以上かによって提出する書類は異なります。

①妊娠22週未満の場合
 筆者の場合、提出書類は「死産届」のみでした。死産届には子の氏名を記入する箇所は無いため、命名の必要はありません。役場によっては火葬(埋葬)許可申請書を一緒に提出する必要があるようです。
②妊娠22週以上の場合
 上記に加え、「出生届」も必要です。子の氏名欄がありますので、命名の必要があります

以降、この記事では筆者が経験した妊娠22週未満での手続きについて説明します。

市町村役場での手続き~死産届(死産証書)を提出し、火葬に必要な書類をもらう~

死産届の記入・提出

 死産になったその日のうち(役場の開庁時間外の場合は翌開庁日)に、役場に死産届を提出します。病院から、死産証書と死産届が1枚になった用紙をもらいます。
 死産証書は病院側が記入しますので、死産届に記入をします。手続きに行く人(夫やご家族の方)が役場で記入してもよいですが、病院で夫婦そろっているときに記入することをお勧めします。夫婦それぞれの生年月日や職業について記入する箇所がありますので、死産という悲しい経験の中、気が動転して誤記入してしまうことも考えられます。可能な限り、夫婦で1項目ずつ確認しながら書くのが良いと思います。
 筆者の市町村の書類では押印箇所は無かったですが、押印箇所がある可能性もあります。役場に行く際は印鑑と本人確認書類(免許証など)があると安心でしょう。

火葬日程の決定~骨が残るよう配慮してくれる場合も~

 筆者は公営の斎場で火葬をすることにしていましたので、死産届の提出時、火葬の日程を決めました。担当してくれた窓口の方は2つの日程を提案してくださいました。
 ひとつは”最短の日程”で、もうひとつは”骨を残せるかもしれない日程”です。前者はその通り、炉が空いている最短の日時です。後者は、赤ちゃんならではだと思うのですが、体が小さいため火葬により骨が残らない(すべて灰になってしまう)可能性があります。炉が温まっていない、朝一番の時間帯だと骨が残る可能性が高くなると提案していただきました。少しでも可能性があるならと思い、筆者夫婦は朝一番の時間帯で予約しました。おかげで、遺骨を残すことができました。

火葬許可証・公営斎場使用許可証の受理、火葬の費用について

 火葬の日程が決まったら、「死胎火葬許可証」、「公営斎場使用許可証」の2つを受け取りました。市町村によっては許可証をもらうために申請書を提出する必要があるようですが、筆者の役場では不要でした。受け取る書類は、斎場を公営にするかどうか等によって違いがあると思います。
 この2つの書類は火葬の際に必要となるのですが、特に、「死胎火葬許可証」は常に棺と一緒にしておくようにと看護師さんから言われました。こういった許可証が無く遺体を持っているというのは事件の可能性が疑われたりするので、一緒にしておく必要があるとのことでした。
 火葬の費用については、市町村や公営・民営か、また大人か子供かによって異なるようです。筆者の市町村では市町村内在住者は無料となっており、費用はかかりませんでした。

棺とその中に入れるものの準備

病院によっては自分で準備する必要も?

 棺についてですが、筆者の場合は入院した病院で準備してくれました。領収明細を確認しましたが、請求もありませんでした。病院のお心遣いだったのかもしれません。
 しかし、病院によっては自分で棺を準備しなければならない場合もあるようです

棺に入れるものの準備について

 筆者は、棺の中にお花、お菓子、ハンカチやちょっとしたおもちゃ(布製のガラガラ等)を入れました。看護師さんからは、出産した当日のうちに「棺に入れますので持ってきてください」と言われたので、夫には急いで準備してもらいました。
 ただ、全部を急いで準備する必要はなかったと思っています。火葬まで時間がある場合、入院中でも退院後も棺を開けられるタイミングはあります。火葬に間に合えば、少し時間をかけて考えてもよかったなと思います。
 急いだほうが良いものとして、肌着や服を着せたい場合は、看護師さんが上手に着せてくださると思うので、最初に準備して渡しておいた方が良いと思います。あと、周りに何も入れないのは寂しいので、最低限お花は準備したほうが良いと思います。
 棺に入れて良かったと思ったものは、子供用のタオルハンカチ(よく、キャラクターもので3枚セットなどで売られているサイズのもの)です。赤ちゃんの体の部分のサイズにちょうど良く、かわいいお布団のようになりました。もちろん、あらかじめ病院側の準備でガーゼはかけていたのですが、寒い時期だったで、より暖かくなったかなと思います。
 なお、火葬場によって棺に入れられるものに制限がありますので、そちらは必ず確認しましょう

火葬までの間の棺の保管方法

 筆者もそうだったのですが、死産後、火葬まで日にちが空く場合があります。筆者の場合、火葬の日は退院の翌々日でした。
 退院時、棺は家に持ち帰り家で保管ます。家の中でもなるべく涼しいところで、棺の周りに保冷剤を置いて保管しました。筆者の場合は寒い時期でしたので、暖房をつけていない部屋は充分に涼しい状態でしたので特別心配はありませんでしたが、暖かい時期の場合は保冷剤をこまめに交換するなど、注意が必要だと思います。
 

これから同様の経験をする方へ

 この記事を読んでくださっている方というのは、似たような経験をした方や、これからする方が多いかと思います。私自身がこういった経験をしても、当事者にどういった言葉をかけるのが良いのか、いまだに分かりません。

 退院後、この本を読んで、つらい経験をしているのは自分だけじゃない、ということを実感できました。多くの天使ママさんたちのお話が掲載されています。

 ただでさえ身体的負担が大きく精神的不安も多い妊娠生活で、辛い経験をされる方は医療が発達している今でも多くいらっしゃいます。このブログが少しでも、その方たちのお力になれれば幸いです。

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