筆者は2022年12月、妊娠21週で死産を経験しました。こちらの記事では、入院にかかった費用や出産育児一時金との精算についてまとめています。不安を抱えている方に少しでもお役に立てれば幸いです。
入院中のスケジュールに関する記事はこちら:死産(後期流産)の入院スケジュールについて
死産の際の手続き、火葬に関する記事はこちら:死産(後期流産)の時の手続きについて~届出、火葬、棺の準備など~
出産育児一時金とは
出産育児一時金のおさらい(令和5年2月時点)
出産育児一時金とは、妊娠4ヵ月(85日)以上で出産した場合に、加入している公的医療保険の組織(国民健康保険、健康保険組合、協会けんぽ等。ご自身の保険証を発行している組織)から支払われる補助金のことです。中絶・死産等、理由は関係なく支給されます。
令和5年2月現在、産科医療補償制度に加入している場合は42万円、加入していない場合は40.8万円を受け取ることができます。産科医療補償制度に加入しているかどうかは産院によって異なります。妊娠している方は割と早い段階で加入の申込書を提出していると思います。
筆者の場合は40.8万円の支給でした。産科医療補償制度加入の申込書を提出していましたが、この制度は妊娠28週以降でないと加入できないためこの金額になりました。(複雑ですね。まとめると、妊娠28週より前は産科医療補償制度の申込有無に関係なく40.8万円、妊娠28週以降は産科医療補償制度に加入していれば42万円、していなければ40.8万円ということです。)
出産育児一時金の申請方法は?~直接支払制度の産院では同意書の署名のみ~
出産育児一時金は、直接支払制度というものがあります。
通常の医療保険の保険金は、医療機関での支払いは患者が行い、後日申請後に患者(代理人等)に支払われることが多いと思います。しかし出産費用は大きな金額になることが予め分かっているため、医療保険の組織から医療機関に支払をするという制度があります。これが出産育児一時金の直接支払制度です。つまり、出産後退院するときの請求金額は、実際にかかった費用から出産育児一時金を差し引いた後の金額になります。
直接支払制度を導入しているかどうかは医療機関によって異なりますが、導入している場合、妊婦さんの手続きは簡単で、同意書に署名する程度です。
死産の時の入院費用は出産育児一時金を超える?
筆者がお世話になった医療機関は直接支払制度を利用できました。妊娠21週に陣痛を促進して普通分娩、入院期間は3泊4日でしたが、入院費用は出産育児一時金(40.8万円)の範囲内で収まりました。退院時に病院にお金を払う必要がなく、助かりました。
出産一時金の差額は請求しなければ受け取れません~退院後すぐ申請してOK~
入院費用が出産育児一時金の範囲内で収まった場合、自分で請求しなければ差額を受け取ることはできません。健康保険組合の場合は郵送で申請可能です。申請書のほか、必要な添付書類がいくつかありますので、各医療保険組織のホームページ等で確認する必要があります。例として、健康保険組合では下記のものが必要です。
●出産一時金の医療機関直接支払制度利用の同意書
→退院時、病院から受け取ります。
●請求書、医療費明細書
→退院時、病院から受け取ります。妊婦合計金額と代理受取の内容が請求書と相違ない旨が記載されているものです。
●病院または市町村からの証明
→申請書に記載箇所があるので、申請書をダウンロードし病院に持参し記入を依頼する必要があります。筆者は退院後の体調確認で通院したときに記入してもらいました。病院によると思いますが、文書料として2,200円かかりました。
国民健康保険の場合は窓口に申請に行く必要があるようですので、振込に使用する金融機関口座の印鑑があると良いかと思います。
申請のタイミングについてですが、サイトによっては「出産育児一時金の支払い決定通知書が届き、差額が発生することが分かったら」と書かれていることもありますが、請求書の時点で金額が分かりますので退院後すぐに申請して問題ありません。申請書をホームページからダウンロードする際、似たような名前の申請書が複数ありますので気を付けてください。不安な場合は問い合わせてみるとよいと思います。
申請後、2週間で振り込まれました
筆者の場合、退院1週間後に申請書を郵送し、その2週間後には指定した口座に振り込まれました。年末年始もはさんでいたので、休業日が少なければもう少し早く振り込まれていたかもしれません。組織によるかと思いますが、対応が早くて助かりました。
まとめ~まずは体調を優先、頼れる人には頼って。また、ほかにも自治体ごとに手当金がもらえる場合も~
死産の後は、お子さんを亡くした悲しみでいっぱいで手続きまで頭が回らないかもしれません。また、出産後は体を休めることが一番です。そんな大変な時期ですが、ちょっと頑張って申請をすると、一時金の差額を受け取ることができます。お子さんの供養にお金を使ったり、次のステップに進むための足しにできると思います。自治体によっては独自の手当金があるかもしれません。ご家族の方に頼って申請書を記入してもらったり、ご自身の体調の良いときに申請の準備をしてみてください。
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ただでさえ身体的負担が大きく精神的不安も多い妊娠生活で、辛い経験をされる方は医療が発達している今でも多くいらっしゃいます。このブログが少しでも、その方たちのお力になれれば幸いです
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